| 「がん」と診断された方に信頼性の高い情報の提供を |
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直近の厚生労働省による統計では、日本におけるがん罹患者数は568,781人(2001年)、また死亡者数は325,941人(2005年)となっており、今後も増加が予測されています。
一方、欧米、特に米国においては官民一体となった早期診断・早期治療の普及・啓発、臨床試験の普及・啓発・実施、それから得られる標準的治療の普及により、死亡率に歯止めがかかり、乳がんなど特定のがん腫においては、死亡率の低下を達しています。
日本におけるこのような現状は、様々な要因に起因すると考えられますが、医療者向けのがん情報、国民・患者向けのがん情報を提供・共有するシステム構築の遅れが大きな要因の一つと考えられています。これらが近年日本で問題となる科学的根拠に基づくがん医療(いわゆるガイドラインや標準的治療など)の普及を阻害し、がん医療の地域間格差を生じていると考えられます。結果的に、良質ながん情報にたどり着けない、実施されるべき治療にたどり着けないという「がん難民」を生み、医療消費者であるがん患者及び家族の満足度は低いものとなっています。
事実、日本では全国統一のがん登録制度はなく、日常臨床下においてどの施設で、特定のがん腫に対し、どのような治療が実施され、どのような治療成績であるかを、共通の基準で比較検証する事は不可能であり、この点も科学的根拠に基づくがん医療(いわゆるガイドラインや標準的治療など)の普及を阻害する大きな要因の一つと言われています。
このような問題は、医療者の間でも指摘されており、向井博文氏(国立がんセンター東病院 化学療法科)等の報告によると、国立がんセンター東病院を受診した「乳がん遠隔転移・遠隔再発例」の78症例(2003年2月からの2年間)の、「標準治療が的確に実施されたか」、「実施された治療法が妥当であるか」についての検討では、45%の症例が「標準よりかなり外れる治療」、「害をもたらす可能性のある治療」を受けていました。また、渡辺亨氏(浜松オンコロジーセンター長)等による山王メディカルプラザのセカンド・オピニオン外来を、2003年9月からの2年間に訪れた乳がん患者175名の評価においても、41%の患者が「標準的ではなく推奨できない」、「標準治療ではなく患者は不利益を被っている」と報告されています。
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